* 菜の花生産組合 [#f409d754]

朝日新聞の記事より
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> 荒れ地に花畑 閉鎖ゲレンデを再生 大町
2006年11月21日
 菜の花とソバの混作で荒れ地を再生させる活動を続ける大町市美麻(旧美麻村)の市民団体「菜の花農業生産組合」(竹折敬喜代表)が、閉鎖で荒れ放題だった大町市のスキー場ゲレンデを「再生」させた。春は菜の花の黄色、夏はソバの白い花で彩られ、観光客のにぎわいも戻った。混作は今年から本格化。そば粉や菜種油は地元のそば店や東京都内のレストランで評判が高く、事業としての自立を目指している。(古賀大己)
 昭和初期から営業している大町市大町中山の大町スキー場。スキー客の減少に伴い、約10年前から第2ゲレンデが閉鎖されていた。隣接する旧美麻村(今年1月に大町市に編入)で生まれ育った種山博茂さん(63)ら有志7人で、菜の花農業生産組合を04年に設立。約8ヘクタールの荒れ地で、菜の花とソバの混作を始めた。
 美麻地区は標高700〜900メートルの高冷地で、やせた農地が多く、昔からソバの栽培が主流。菜種油のために菜の花も栽培していた。55年ごろからソバが輸入され始めるとほとんどの農家がソバを放棄し、菜種の需要も減って、農地は牧草地に変わった。その牧草地も近年、酪農の衰退で荒れ地が多くなっていた。
第2ゲレンデの一部を所有する種山さんは、所有地をトラクターで耕し、再びソバを栽培しようとした。すると、菜の花が芽を出した。「昔の菜種が芽を出したんだろう」と地元のお年寄りが教えてくれた。
 「美しい風景を取り戻し、美麻一面にソバや菜の花を咲かせたら、合併を不安に思う住民も元気になるはず」と、種山さんは思い立った。
 7月下旬、ソバの種と菜種を一緒にまく。成長の早いソバはその年の10月に収穫できるが、まだ小さい菜の花は冬を越し、翌年7月上旬に収穫期を迎える。この成長の時間差が、混作を可能にしている。
 第2ゲレンデのほかにも、高齢化で手の入らなくなった農家の田畑でソバや菜の花の栽培を請け負い、徐々に栽培面積を増やした。混作地は、休耕田を含め約13ヘクタールに広がったという。
 県の支援で搾油所も設置し、3年目の今年は約500リットルの菜種油が見込まれている。精製せず濾過(ろ・か)しただけの自然のままの風味が持ち味で、都内のレストランでも好評という。そば粉も約6トンが見込まれ、地域のそば店に販売している。
 また、地元の学校や保育園での食育に使ってもらったり、搾油やそば打ち体験などのエコツアーを企画したりと、アイデアが膨らむ。種山副組合長は「地元の美しい風景を守りながら、ソバの里、地油の里として美麻地区が知られていけば」と期待している。
問い合わせは同組合(0261・23・1334)へ。


菜の花農業生産組合で作られた菜種油は、新行の種山商店で販売されているそうです。