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発 行:ひょうすぼ社 |
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乱杭 169号(2003年12月14日)
0 13日夜、3年間の休止を経て、のべおか「第九」演奏会に参加しました。 結局、私を第九に誘っていただいた元延岡商工会議所専務理事、大藤泰道が仰っ ていたように、私にとっては「歌う阿呆に、聴く阿呆、同じ阿呆なら歌わにゃ、そん、そん。」ということです。 ところで、私が担当するテノールの最後のフレーズの”グェーッテル・フンケン(神々の火花)”の音程は、上の「ラ」です。どうぞ、上の「ド」から段段に声を出して五線譜を飛び出して「ラ」まで、声を出して歌ってみてください。 普通、そこまで声が出せる男性は、そうはいらっしゃいません。 その「ラ」がテノール・パートには、22個もあるのです。私の喉にとっては、まさに「虐待・フンケン」です。先ほどの”グェーッテル・フンケン”が殆ど声にならずに歌い終わった後は、毎回声がゲロゲロになり、終わった瞬間は「これで止めにしよう!」と思います。
今回の指揮者は、高関健さんでした。指を4本出して、3本、2本、1本と減ら して行って合唱の出だしを支持していただくなど、楽譜が殆ど読めない私にとって は、分かりやすいありがたいな指揮でした。 しかし、それより何より、彼の指揮は情感が発散する、指揮者として、やりたい ことが、極めて明確な指揮で、合唱がない三楽章までの彼の指揮を見ているだけで 楽しく、しかも、先ほど申しましたように、とても歌いやすい感動的な指揮でした。 合唱に参加してみていつも思うのですが、やはりプロの指揮者は「凄い!」、「鬱」 気味の私の気分をガラリと「ハイテンション」にしてしまう力を生み出す”ダイネ・ ツァオベル(貴方の魔力)”のようなパワーがありました。 また、今回初めて古典的なオーケストラの配置で歌いました。現代の配置は、客 席から見て左手・前列に第1バイオリン、その後に第2バイオリン、指揮者の正面 辺りにビオラ、右手・前列にチェロと並び、右手・奥にコントラバスという弦楽器の配置です。 今回は、左手・前列に第1は同じですが、第2はまったく反対側の右手・前列、第1の後にこれまた反対の側のチェロ、第2の後にビオラ、コントラバスは、現在とはまったく反対の左手奥、という配置です。
巨匠、ムラビンスキーがこの配置を硬くなに守ったことから、この配置を彼の指揮したオーケストラになぞらえて「レニングラード方式」と呼ぶ向きもあるようですが、下記のホームページで紹介されているように、つい戦前まではこの配置が主流で、今では「古典的な配置」と呼ばれて、これを今のような配置に変えたのは、「音の魔術師」と呼ばれるストコフスキーだということです。 素人の率直な感想としては、聞きなれないせいでしょうか、弦楽器の各パートの音が、普通より輪郭がはっきりしていたように思えます。それに、普段、殆ど後姿しか拝見できない第2バイオリンの方々のお顔がはっきり見えたのがよかった。前から3番目の第2の女性、美人でしたな・・・(何を考えテンノヤ、アホッ?) 演奏会後、同じテノールパートのB氏と「小よう」で飲み明かして、二日酔いの状態で、翌日は、イカ釣りに出かけて三杯をゲットしました。 前日は「第九」、翌日はイカ釣り、この落差がいいと思いませんか?
結局、何を考えているのか、行動がチャランポランで、分かったもんじゃありませんが、イカ釣りをしながら第九のメロディーをつぶやいていしました。こんな人間、他にいるかな・・・?たぶん、広い日本に、もう一人位はいるでしょう。 そこで結論です。やっぱり、来年も虐待・フンケンに耐えて歌おうかな・・・
<初めての古典的配置>
<来年も歌おうかな>
歌わにゃ、そんそん、皆さんも、歌われませんか!
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