発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
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riyoyoko@hotmail.com
創刊:昭和60年(1985年)6月15日

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青草の身勝手 野鳥歳時記(6)(2003年1月5日)

◆青草の身勝手 野鳥歳時記(6)◆

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沖田ダム湖にオシドリ

忘れた頃に延岡市南部の沖田町、片田町、小野町等の田畑に氾濫を繰り返す沖田川の治水事業として長年取り組まれていた沖田ダムが昨年竣工した。 沖田川は、私の自宅の目と鼻の先で浜川と合流して日向灘に流れ込んでいて、子どもの頃から親しんだ、正に「小鮒釣りし、かの川」と呼ぶべき川である。

 この川には最近まで「鳥見」でも楽しませて貰っていて、数年前には、片田の岸辺で、クイナとヒクイナのツーショット撮影もモノにしたし、また、シーズンには蛍も見られた。だから、川下から逐次進められた河川改修と護岸築堤事業、上流の治水ダムの建設事業には、少なからず複雑な感慨を抱いていたのだが、一面 水没する田畑を見れば、これも止むなしと言うべきか?

 事業の進捗とともに、クイナとヒクイナが岸辺で鉢合わせをして威嚇しあった水草の生い茂る水辺はなくなった。上流の、今はダム湖の湖底となった流れには、ヤマセミ、カワセミ、セキレイの類がいて、ある時などは、私の気配を感じて浅い水底へ潜った石亀を急な崖を駆け下りて捕まえたこともあった。

 このような沖田川に、これまで気分がめいると出かけて、どれほど癒されたか知れない。私の個人新聞「乱杭」の紙名も、この沖田川に残る木製の護岸擁護杭から命名した。

 冬になると上流の細い流れに、オシドリの番(つがい)が、一番か二番来ていた。 

 ダムが完成して、それらは失われたが、新しく出現したダム湖に、何が来るかと密かに楽しみにしていたことも事実である。

その楽しみを腰だめにして、待つだけ待って、長かった今回の正月休暇の最終日、この冬最大の寒波が日本列島に襲来し、積雪や路面 凍結で帰省客の足を奪い、狂わせた1月5日(日)の午後にそのダム湖へ行ってみた。















 ダム湖は1周が8・16kあり、10・2k、2周目10k、3周目20kというように、ジョギングやマラソンのトレーニングをする人のために、周回道路のそこここに距離表示が施され、またダム湖の上流には、湖内にせせらぎ公園や駐車スペースや、公衆トイレ等が設置されていて、竣工前の昨秋には、孫をそこへ連れて行って水遊びを楽しませてもらった。

 陸上競技のトラックレースとは逆回り(時計回り)にダム湖を一周して、ほぼ回り終える頃、車から降りた私の耳に、アオゲラに似ているが、それより少し短い多数の鳴き声が聞えた。

 何の声だろうと湖面を覗くと、たくさんの水鳥の姿が湖面にあり、双眼鏡で確認すると、オシドリの群れであった。1、2、3と雌鳥を従えた雄鶏の派手な姿を数えていくと60羽。

 つまり、60×2=120羽のオシドリの番を確認した。こんなに多数のオシドリを一度に見たのは、初めの経験で少々興奮してしまった。

 他に、マガモの番が20(×2=40羽)と、てんでんバラバラにこれらの群れを取り囲むように10羽余りのカイツブリがいた。

沖田ダムの敷設は、様々な意味で功罪があるのかも知れないが、これは、凄い。何故こんなに多くのオシドリの群れが、いきなりやって来たのか、知る由もないが、これから沖田ダム湖がオシドリの名所になったりしたら、失ったものを補って余りあると言えるかも知れず、そうなれば、私にとっては望外の幸せである。

 これからも、沖田ダム湖の観察を続けてみようと思う。その様は、この「鳥信」でご報告します。

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