発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
e-mail:
riyoyoko@hotmail.com
創刊:昭和60年(1985年)6月15日

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私的新聞 乱杭195号(2004年11月 11日)

◆九州一周駅伝◆

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 全国の「乱杭」読者の皆さんは、九州一周駅伝ってご存知でしょうか?
 正確には「高松宮賜杯西日本各県対抗九州一周駅伝競走大会」といい、今回で53回を数える伝統の駅伝大会。何しろ、私が生まれる昭和27年の前年に始まっています。

 この大会からは、広島(叔父・甥)、貞永、重松、宗兄弟、伊藤らキラ星のようなわが国陸上競技長距離界の名選手、




オリンピック出場選手、そして君原健二(メキシコ)、森下幸一(バルセロナ)のオリンピック・男子マラソンの両銀メダリストを輩出してきました。

 長崎市から福岡市まで、九州各県の県庁所在地とその間の佐世保、水俣、延岡、北九州の各市間を10日間かけて、反時計周りに一周する、わが国では一番距離が長くかつ歴史と伝統のある駅伝競走大会です。

◆産業構造の変遷と九州一周駅伝◆

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 参加チームは、各県対抗ですから、宮崎とか山口とか、沖縄とか、各県ごとにチームが編成され覇を競うのですが、各県のメンバーを詳しく見ると興味深い我が日本の産業構造の変遷が見て取れたりします。

 かつて、「鉄は国家也」で、八幡製鉄を擁した福岡県が強かったのですが、重厚長大産業の衰退にともない、繊維やケミカルの分野で成長した旭化成を擁する宮崎県がここ20数年間連勝しています。




 そして近年は、福岡県東部に次々と立地したトヨタ・ニッサン・ダイハツを初めとする自動車産業の隆盛により、福岡県が盛り返してきて、尚且つ、後で書く児玉泰介さんが請われて指導者をされていた三菱重工長崎を主力とする長崎県チームが、先日、大会史上初めて日間首位を奪うなど、所謂(九州における)産業構造の変化が、この駅伝競走大会にも色濃く反映されているように思えます。

◆九州一周駅伝は西日本各県の人の交流◆

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 各県チームには、その県出身の選手も勿論いますが、例えば我が宮崎県で言えば、旭化成陸上部の主力選手、九州一周では宮崎県のエースとして長く活躍され、現在は同部の指導スタッフになっておられる宗兄弟は、お隣の大分県の出身ですし、やはり、本県のエースとして華々しく活躍され、現在は同部女子監督で元男子マラソン日本記録保持者だった前記の児玉泰介さんは、鹿児島県のご出身です。

 その中で、大会6日目、宮崎市から延岡市までの区間(約80キロ)は、宮崎県チームの主力を占める旭化成の選手の本拠地延岡





へゴールをする区間ですので宮崎県チームにとっては、絶対に負けられない日なのです。

 日間首位を争う戦いは、最後の6区(日向〜延岡/20.4k)にもつれ込み、宮崎は、エースのアテネ・オリンピック10000k代表で一昨年、鹿児島実業高校から旭化成に入った大野龍二君。対する福岡は、宮崎県北出身のトヨタ九州、中崎幸伸君。

 で、今日は、負けちゃった。だから、九州一周駅伝面白い!

◆沿道応援のコツ(1)◆

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 これからの話は、延岡市近隣の方にしか通用しない話ですので、あらかじめお断りしておきます。

 まず、延岡市入りは、毎年11月中旬の木曜日と決まっていますので、お勤めの貴方は、どうやってその日に休暇を取るか、それが問題ですが、これはそれぞれでしょうから、私のケースをご紹介します。

 陸上競技の審判員をしていますので、本来であればこの日、各中継所かゴールの審判をしなければいのですが(かつてはそうしていました。)、仕事の都合上、何時その日に避けられない用件が入るか分からないため、ここ数年は、当日の審判依頼をお断りしています。





 それで、その日に特別の仕事が入らなかった場合、前日の夜に職場の上司の自宅へ電話を入れて「明日、九州一周の応援に行きたいので、休みを下さい。」と単刀直入にお願いするのです。

 マラソンや駅伝が盛んなお国柄でしょうか、それとも、「あんたがいても、いなくても大勢に影響はありません。」ということでしょうか、「ダメ!」と言われたことは、これまで、ありません。

◆沿道応援のコツ(2)◆

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大会は、毎日午前9時に各地点をスタートします。 6日目の延岡市へのゴールは、
例年午後1時10分過ぎです。

 そこで、朝、そのコースを逆走して適当な場所から延岡市までの間、
選手を応援するのですが、大会コースとなっている国道10号は、
殆どが片側一車線ですので都農町辺りで、ぼやっと、
宮崎・福岡・長崎と各県の選手を見送っていたら、
延岡市まで二度と先頭(普段は「宮崎」)のチームの応援はできません。

◆沿道応援のコツ(3)◆

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 色々な場所で応援できるコツは、レースの進行をコントロールしている宮崎県警の白バイ隊との阿吽の呼吸です。

 つまり、彼らは「邪魔な車は早く先に行かせて、選手をガードしたい。」と思ってくれていますので、その隙を突くわけです。

 まず、写真(↑)、4区の森下由輝君を応援したのは、美々津の外れ、国道10号の南進車のための長い譲り車線が途切れるあたりです。

 そこらあたりの農道に車を突っ込んで森下君を応援し、通過後、すぐさま車を出したら、バックミラーに福岡・カリウキの姿が映っていました。

 そこから美々津の中継所まで、宮崎、福岡の伴走車の間に入り、まさに九州一周のライブコンサートみたいな、切迫したレースの機微を間近で見ることが出ました。

 美々津大橋をわたる頃、前方の白バイが、右手を大きく振り、先に行けと指示をしました。アクセルをしっかり踏んでスピードを上げて、先行しました。

 次のポイントは、JRの南日向駅への入り口です。昔は「平岩」だったかな?

 そこで(写真↑)高尾憲司君を応援しましたが、ちょっと元気がなさそうでした。

 そして、最後は、「ハマグリ碁石の里」で高尾君を応援して、小倉が浜有料道路を経て、日向市仙ケ崎へ先回りして応援するのがいいと思います。



















 というふうに、県警白バイ隊のご機嫌を損ねないように、尚且つ先頭チームの前に出られるように、位置関係と道路の都合を考慮して、移動しつつ応援するのがこのレースの醍醐味です。

 写真(↑)は、最後の延岡市塩浜町のJR 日豊線を越していこうとする大野君ですが、元気がありませんでした。聞けば、給水を取りそこねて脱水状態だったとか・・・。本当に暑い日でした。

 そして、最後に山口の伊藤健太郎君です。

体の前で腕をかき込むよう振る独特のフォームで今日も走りました。

 聞けば名門、協和発酵宇部も陸上部員は今や、彼一人とか・・・。ご迷惑とは感じつつ、「健太郎、行けー!」と声援させていただきました。

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