青艸(佐藤理洋)の
身勝手「野鳥歳時記」

発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
住所:
北緯32度32分29秒 東経131度40分39秒
e-mail:
riyoyoko@hotmail.com
創刊:2000年11月創刊

ご意見・感想等は発行人までお願いします。(^_^)  

青艸(佐藤理洋)の身勝手 野鳥歳時記(59)(2005年10月18日)

◆憲法九条が危ない◆

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 今朝の朝日新聞紙上の大伴閑人選「朝日川柳」の冒頭に、

「九条に欲しいノーベル平和賞」

 があった。私であれば、次のようにしよう。さて、ロッテか阪神か?
「九条が球場の声にかき消され」

平和のシンボル「鳩」

 1969年、まだ無分別で思慮も極めて浅かった高校生の頃(「今も」という、声に一言もなし。)、地区労にノコノコと出かけて、ブルーのバックに白い鳩が両翼を思いっきり広げた図柄の、直径1センチほどのバッジを買って、学生服の胸に付けて悦に入っていたことがあった。そのバッジの下辺には、小さな文字で「憲法を守ろう」とスローガンが記されていた。

 鳩は、何時頃から平和のシンボルとなったのだろう。

鳩と鷹

 一般の方に、「鳩と鷹(などの猛禽類)と、どちらがお好きですか?」と尋ねてみたら、どんな結果がでるのだろう。6対4位の割合で、「鳩」との答えが返ってくるのではないかと愚考する。
 ただし、この質問の対象には、「プロ野球のソフトバンク・ファンと楽天ファンは、含まない。」ものとする。

 ところが、質問の対象を「日本野鳥の会」若しくは「その支部」の会員に変えると、結果は逆転するように思われる。

 猛禽類の一種であるサシバが、多数群を成して渡って行く生態が観察できる都城市金御岳には、今年もたくさんのバード・ウォッチャーが訪れたようだ。ある好事家等は、これを「サシバ症候群」と呼ぶ。

 一般的に、「会員」の皆さんには「希少種」を珍重する傾向があり、鷲・鷹は、正にその希少種そのものであって、且つその生態はまだまだ不明な部分が多く謎に包まれていればいるほど、「百恵さんの今の姿」のように、分からなければ知りたいと思いを募らせ、更には、姿かたちが、いわば「歌舞伎役者」か「氷川某」のようにスラリとカッコいい。
 何故「歌舞伎役者」か「氷川」かと言えば、会員の中には所謂「ギャル」と呼ばれる人種が稀で、どちらかと言えば、わたしの年代に近い方々が多いため、よもや「スマップ」とは、書けないでしょうから・・・。(閑話休題。失礼の段は、平にご容赦!)

 それ故、一般の方々の回答とは、会員の支持対象の比率が逆転するように思える。その証拠に、日本野鳥の会が、毎年会員から募集して掲載鳥種を決める年度毎の「会員証」に掲載される鳥に「アオバト」「キジバト」「ドバト」の類が選ばれた記憶がない。

鳩除け

 鳩は、見た目には気性が優しく、人懐っこいため、多くの街の市街地の公園や広場に多数生息している。

 そのため、2000年8月に訪れた米国ボッストン市庁舎の前の広大な広場に、おびただしい数のカモメが、あたかも上野公園の鳩のように屯(たむろ)していたのには驚かされた。所変われば品変わるである。

 我が街の市庁舎前や付近の歩道には、およそ50羽余りの鳩が常に居て、野口記念館と呼ばれる公会堂前の人口池で飼われている鯉のための餌を池に投げようとする人に「私達にも頂戴」とねだっている。

 問題は、彼等の塒(ねぐら)と営巣場所である。
 目と鼻の先に市庁舎があり、当然狙われる。そして、厄介な「糞害」が起きる。

人の知恵と鳩の知恵

 10月7日(金)、職場の若者達が市庁舎中庭に面した職場のベランダを眺めながら「生まれた!生まれた!」と歓声をあげていた。
 「何事ならん?」とそのベランダを見てみると、正に卵からドバトの雛が孵化したところであった。
 小さな命の誕生に、「生まれた、生まれた。」と喜びの声を上げてくれた職場の若者達がますます好きになったし、敬意を感じた。

 ところで、なぜ、このドバトの両親は、このようなヒョイと窓枠を超せば人が近づける場所に営巣したのであろうか?
私見では、2点の理由が考えられる。
 まず、第1点は、「ここしか、営巣場所がなかった。」
 昨年のこの時期に、両親と訪れた京都の社寺・仏閣では、押しなべて、金網で建物全体、特に軒先を覆うように対抗策が施されていた。
 北緯三十八度線の鉄条網のようなものだ。

 延岡の市街地にビルを持つ様々な公共機関や企業も、鳩の「糞害」には悩まされており、あの手この手、思いつく限りの手を尽くしているように思えるが、お堅いと余り評判のよくない役所の中で、我が市庁舎では、様々な試みをしており、手前味噌かもしれないが感心した。

 まず、だれでも思いつく「網で囲ってしまえ。」のような京都の寺社と同じ対抗策が、写真(↓)だろう。








 次に、黒塗りの幹部用の公用車が止めてある駐車場では、度重なる糞害に閉口して、車庫の天井に、(↓)写真のように、CDが下げてあり、

風が吹けば(↓)のように自然界ではありそうもない反射光を発しながら揺らめくため、ドバトには近寄り難い効果を出しているようだ。

 しかし、極めつけは、(↓)写真のカラスとも鷹ともつかない真っ黒な「モビール(動く彫刻)」だろう。

このぶら下げモビールは、傑作と断じたい。その結果、営巣する所が限られてしまって、(↓)写真のように、止む無く職場のベランダに営巣したものと思われる。

 そして、鳩がこのように人に間近なベランダで営巣した理由の2点目は、長年の人との付き合いの経験から、「人は自分等に害を及ぼす生き物ではなく、しかも人の近くに巣を造れば外敵であるカラスの襲撃からも逃れられる可能性が高い。」との判断からではないだろうか?と思われます。

鳩からの教訓

 1.鳩は、絶対に人を襲わない。

 2.鳩は、糞をして車や建物など人の道具を汚すことはあるが、人を傷つけるようなことは、絶対にしない。

 以上、2点の長年の経験則を基礎として、我が職場の若者等は、「生まれた、生まれた。」と喜びの声を上げたのだろうし、それぞれの部署で、市職員や嘱託の人々は、鳩を殲滅するのではなく、ここに来ないでよ、と優しい気持ちの中にも、心ならずも排除の手段を講じたのだろうと思う。

襲わない者から人は、脅威を感じない

 だとすれば、鳩から得られた教訓として、「自分を襲う恐れのない者に対して、他の人は脅威を感じない。」という命題は成立しないのだろうか?

 我が「日本国憲法 第九条」とは、第二次世界大戦の惨禍に心底懲りた日本民族の不戦の誓いではなかったのだろうか?

九条も球場の声にかき消され

 そんな懸念も、日本シリーズの熱気にかき消されそうだ。そこで、私は思う。「勝手にしやがれ!知ったこっちゃありません!」と。

 あと3日で私は53歳になり、この世で生きている限り、徴兵による兵役には、もう既に役にも立ちそうもないし、孫は女の子しかいなので、基本的には、その孫が兵役に着く事もありますまい。

 だから、九条改正に積極的な人士から順に、戦場へ赴いていただければよろしかろう、と無責任に思う。

 ところが、歴史を読めば、そうはならないのだから人の世は難しい。

 実は、戦場へ行くのは、あなたのお子さんやお孫さんであったりするのですから・・・。結局、私は、鳩になりたい!」

鳩になりたい

 フランキー堺が主演した「私は貝になりたい。」をいずれの検定教科書よりも優先して、現代の児童・生徒に見てもらいたい!

 一介の床屋さんが「戦犯になり、刑死」しなければならない理不尽が現実に起こったことを子ども達に見て欲しい。

 そして、我が日本民族が鳩であることで、どの民族からも敵視されず、おだやかに過ごしていけることを先ほどから書いた、この鳩の教訓から感じてもらいたい。

 これを「絵空事」という人があれば、私自らが直接伺って、鳩と日本民族の存続について、親しくお話をさせていただきたいと思う。

 場所は「小よう」、勿論、割り勘で!

 

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