発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
e-mail:
riyo@ma.wainet.ne.jp
創刊:昭和60年(1985年)6月15日

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 乱杭 128号(2001年10月28日)
◆アンニョン・ハセヨ(5) 10/20◆

0ソウル滞在3日目は、昨年5月に父が単独でソウルを訪れた際に、大変良好なサービスを受けてすっかりお気に入りになった李裕鎬(リ・ユウホウ)運転手に再度お願いして、彼のタクシーで1日市内観光をした。

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模範タクシー

 韓国のタクシーは、大きく「一般」と「模範」の2種類に分かれていて、ルーフトップの色も白と黄色に分かれており、車体も1500ccクラスと2000ccクラスを使っているが、李さんの車は3000ccであった。勿論、お値段もそれなりに、一般と模範では違うらしい。
 この日は、彼のタクシーで大統領府である青瓦台、ソウル大学付属病院、東大門と東大門市場、その付近の父の下宿跡(探し)、コリアハウス、安重根"紀"念館、戦争記念館を訪れた。

 しかし、この日、最も記憶に残ったのは、お昼に父が李さんに「美味しくて綺麗な焼肉店に案内して。」と頼んで連れて行ってもらった梨泰院の、名前はご大層だが日本にもよくある普通の焼肉屋さん「中央會館」での食事をしながらの李さんとの会話と、韓国の地酒(ドブロク)マッカリである。
 李さん(45歳)は、6人兄弟の4番目で小学校しか卒業しておられないこと、彼のお嬢ちゃんが優秀で私立高校の特待生で授業料免除、将来はコンピューター関係の仕事につきたいと希望しておられることなどご家族のことや、模範タクシーの乗務員になるためにはざっと10年以上無事故無違反でタクシーに乗務しなければならないこと、日本語の先生について日本の小学校3年生の国語の教科書を使って勉強しておられること、











蟹キムチ(「渡り蟹」を生のまま縦ふたつに割り極めて辛いキムチに漬け込んだもの)はこうやって食べる(箸で蟹肉をほじくるのでなく、ポイと口の中に放り込んで口の中で身をせせる。)こと、カルビーは、レタスとオオバに似た野菜の葉の上に、焼いたカルビをその店独特のタレに付けて乗せ、その上にスライスしたニンニクを真っ赤なニンニク味噌みたいなものにくぐらせて乗せ、レタスの葉でクルリと包んでガブリとやること、などなど、1時間半くらい、こちらはビールを飲み、マッカリを飲み、またビールを飲みながら聞かせていただき、とても楽しかった。

 「長居をしてごめんね!」と店のおばさんに謝ると、「いいえ、今日はすきてるから。」とかいうので、「すいてるから。」と言い直すと、「すいてるから。」と日本語を復習するように噛み締めて言い直すので、続けてあれこれ冗談を言って「はい、さっきのは何だったかね?」と尋ねると「えーと・・・」、私「す!」、彼女「すいてるから。」、私「ピンポーン!」、と店の人とまで遊んでしまった。

 韓国のドブロク「マッカリ」は、カルピスに焼酎を混ぜたような白い酒で、若干甘味もあって飲みやすく、反面女性は要注意かなと思った。私はどうだったかというと、何処へ旅行へ行ってもそうであるように、ずうっと酔っ払いっぱなしであったので、その効き目のほどは断言できないが、その後のこともよく憶えているので大したことはないのかも。


東大門と東大門市場

コリアハウス

Here's a cool technique! 東大門は、かつての城壁都市京城の東の入り口で、写真のとおり。

同市場は、大阪船場の衣料品センターのような所だったが、何処へ持っていくのかバイクの荷台を改造して大きな荷を詰めるようにしたもので、縦2メートル近く、直径50センチ以上の反物を運び屋さんの兄ちゃん、おっちゃんが、やたらと飛ばして何処かへ運んで行っていた。

 その市場の中には、ある業種が特化した一角があちこちにあって、例えば「飲食店街」。これは凄い。ウナギ、鯰、ドジョウが水槽で泳いでいたり、裸ニワトリが吊るされていたり、2m幅の狭い通路で野菜の皮を剥いているな、と見ていると、コロコロと汚い通路に転げ落ちたジャガイモをひょいと摘んで大なべに拾い投げたり・・・。小ようのママさん(延岡ロイヤル山岳会会長)に見せたら半日でもそこをあさっていそうな「(主に登山用品など)アウトドアグッズ」の専門店街など、見飽きることが無い小規模な商店が軒を連ねていた。















 コリアハウスは、「日帝」時代の旧伊藤博文邸を中心に、その後背地に韓国各地の民家等を移築保存しているもので、ここにHere's a cool technique!もたくさんの同国の小・中学生、幼稚園児が見学に訪れていた。
 ここの最初の建物は、ゲストハウスとして再利用されており、その中庭に、まもなく始まる結婚Here's a cool technique!式の準備が整えられていた。

これは、前日国立民族博物館の「韓国人の一生」の展示の中の「結婚式」をそのまま再現したもので、「これから結婚式があるんだろうかねー。」と父と話しながら眺めて通って、施設を一巡して戻ってくると、正(まさ)しくこれから結婚式が執り行われる所だった。
 新郎は、韓国の民族衣装を着けた金髪の欧米人で、ムクゲのコサージュを付けたご両親や彼の親族らしい欧米人が祭壇の前の中庭に張られた天幕の下の椅子に座り、隣の新婦側には、新婦の父親らしき人と親族が席に着いていた。
 テンガロンハットを透け透けにしたような黒い民族帽をかぶった司祭が、「ナンジャロー、カンジャロー、スミダー」とか何とかマイクを通して祝詞らしきものを唱えだすと、母親に伴われたあでやかなチマチョゴリ姿の新婦が入場してきて式が始まった。
 フロントの係りの人に、「結婚式の模様を写真に撮るのは、失礼になりますか?」と尋ねると「少し失礼ですね。」と言われたので、私はただその様子を眺めていたが、同伴の宮崎の爺さんは、なんと窓越しにビデオカメラでずっとその様子を撮影していた。もう、勝手にして頂戴。

(まだまだ、つづく)
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