発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
e-mail:
riyo@ma.wainet.ne.jp
創刊:昭和60年(1985年)6月15日

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 乱杭 133号(2001年11月2日)
韓国の歴史」◆
0 最後の日、No.131で書いたように徳壽宮内の国立美術館売店で、
米国で学位を取り教鞭をとってる韓国人歴史家アンドリュー・C・ナムの著書
「目でみる5000年『韓国の歴史』(日本語版)」(ハンリム出版社 
変形B5版131ページ 2000年9月5日3版10刷 15000ウォン)
を購入した。
今回のソウル訪問レポートは、その本のカバーにナムが書いた前書きと、
本文「はじめに」の一部を引用して終わりたいと思う。

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 中国、日本、ソ連の3国に東、西、北の3面をかこまれた形の半島国韓国は、4300年余年という長い歴史を通して周辺3国の激浪にもまれながら独特の文化と立派な民族的遺産を保存維持してきた。

 外国勢力の波音が高くなればなるほど自己保存の熱望も強まり、この挙族的団結は韓国の伝統文化を保存・維持する役割を果たした。

 ノーベル賞受賞者の詩聖タゴールは韓国を「東洋のともしび」といみじくも称えた。

 韓国は過去において度重なる外国の侵略をうけたが、自ら他国を侵攻したことは一度もなく、燦然たる文化を作り出し、またその文化を隣国に伝えた。

 私は長い間、韓国史の正しい、わかりやすい、そして親しみやすい本が必要であると考えてきた。というのは、日韓国交の正常化以降「近くて遠い国」から「親しい隣国」に発展しつつある現在、この両国関係にも拘わらず一貫性のある正しい資料が意外に乏しかったからである。

 この本は一般の読者と若い学生層のような非専門家に韓国の歴史の総体的な姿を紹介することを意図して、いわゆる「歴史の大衆化」という試みの下で構成してみた。

 読者の韓国への親しみや理解の一助になれば幸いである。











はじめに−美しい国、韓国

 (略)今日の韓国の領土は、鴨緑江と豆満江以南の半島に限定されているが、古代には遼河以東の中国東北地方南部と沿海州の一部にまたがる広大な領域にわたっていた。10世紀の初めに北部を失い、再びおさめることができなかった。今日に至っては、この半島さえも南北に断たれ、対立の不幸を余儀なくされている。

 しかし、この分断の試練にも打ち勝って、同じ民族同士が統一国家を建てる日が来ることを皆念願しており、また、そうなることを歴史が証明している。

 また「しずかなる朝の国」として知られている韓国は、四季がはっきり分かれた美しい自然の国である。特に春と秋の美しさはたとえようがなく、地理上日本の風土と似かよったところもあるが、大陸の影響を受けて、冬はやや厳しく三寒四温の特徴がある。

 朝鮮半島の面積は約22万1000平方メートルで、日本の半分より多少ひろく、人口は南韓だけで4000万人を越え、南北韓を合わせると6000万人にせまる、人口密度の高い国と言える。しかしながら、穏やかな気候と肥沃な土地、3面の海の資源と勤勉な国民性があいまって、韓国が世界のどの国にも劣らない豊かで住みよい国になることを信じる。

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