しかし、そこには県や市の保存木に指定されている樹齢800年のクスの木など、沢山の大木が茂り、シジュウカラやセキレイなど少なくない数の野鳥が住んでいて、例年アオバズクが営巣している森があります。
記事によれば、このフクロウの雛は、宮司さんが4月下旬、境内のスダジイの木にある巣から落ちて、野良猫に襲われそうになったところを間一髪救助したとのこと。また、親鳥らしいフクロウが茂みに身を潜め、ほぼ1日中、赤ちゃんフクロウを見守っている、とのことでした。
そこで、今日春日神社へ出かけてみました。
113号で書いた蛍狩りをした場所は、実は、以前はこの春日神社をかすめるように流れていた農業用水路でした。この用水路や神社の境内は、休みの日などに、遊び場としてよくお世話になった所ですが、現在は、周囲が区画整理され、それとともに、用水路は暗渠となり、我々が駆け回った田畑はすべて、住宅となっています。
境内を一周した頃、宮司さんのお宅の裏手の木で、羽繕いをする大きな親鳥を見つけました。社務所の禰宜(ねぎ)さんに断って、宮司さんのお宅の玄関先からフクロウを見ていると、宮司さんの奥さんに「何か御用ですか?」と声を掛けられました。「毎年、アオバズクは見かけますが、フクロウは珍しくはありませんか?」と申し上げると、
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「毎年ホウホウと鳴く声を聞いていて、てっきりフクロウだと思っていましたが、あれはアオバズクでフクロウとは違うそうですね。私もフクロウは初めてです。」と仰っていました。
また、「昨日、土々呂町の(ご自宅の客間にフクロウが同居人然として住んでいる野鳥の会会員の)富山郁夫さんが見えて、親鳥が直接餌を運んでやれるよう、車庫の上に、立派な(鶏小屋大の)鳥かごを作っていってくださった。」とのことでした。
「主人も私も、なんとかこの子を自然に帰してやりたい、と思っていましたので大助かりです。とても私達ではこのような物は作れません。」ともおっしゃっていました。境内には、カラスの巣もあり、富山さんは「ちゃんと飛べるようになるまで、外には出さないように。」とアドバイスされて、帰られたそうですが、この雛鳥の名実ともに「巣立つ日」がやってくるよう祈らずにはおられません。
しかし、周辺がすっかり市街地化して訪れたフクロウ・・・。どう理解したらよいのでしょう?それだけ、周辺に営巣できる大きな木が無くなってしまったため、と考えればよいのでしょうか。
写真、真中の大きな横枝で、木の葉が邪魔になって、ちょっと首だけ右に振って、じっと私を見つめている親鳥がお分かりになるでしょうか?
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